遺伝性
乳がん卵巣がん(HBOC)と
遺伝子検査に関するQ&A
遺伝性のがんって必ず子どもに受け継がれるの?
遺伝子は2つ1組として存在し、父親と母親から1つずつ受け継いでいます。父親と母親のどちらかががんとの関連が強い変化(病的バリアント)を持っている場合、その変化が子どもに受け継がれる確率は、性別に関係なく50%になります。
詳しくはこちらをご覧ください
HBOCと一般の乳がん・卵巣がんは何がちがうの?
HBOCは生まれつきの遺伝子の変化が原因となる体質です。HBOCには、「若い年齢で発症しやすい(若年性)」「複数のがんを発症しやすい(重複がん)」「家系内で多くの人ががんを発症する(家族集積性)」といった特徴があります。また、HBOCの場合、がんになりやすい体質(遺伝子の変化)が親から子どもに受け継がれる可能性があります。
詳しくはこちらをご覧ください
BRCA1/2遺伝子に変化があると必ずがんになるの?
BRCA1/2遺伝子に変化があり、HBOCと診断されると、乳がんや卵巣がん、膵臓がんや前立腺がんになるリスクが高まることが報告されています。しかし、HBOCはあくまでがんを発症しやすい体質であり、必ずがんになるわけではありません。HBOCであっても生涯を通じてがんにならない方もいます。
詳しくはこちらをご覧ください
遺伝カウンセリングはどこで受けられるの?
かかりつけの医療機関がある方は、まずは担当医に相談してみましょう。
相談が難しい場合は、一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)のウェブサイトの中にある「認定施設一覧」から調べることもできます。
詳しくはこちらをご覧ください
検査費用は高いの?
45歳以下で乳がんを発症している、などの一定の条件にあてはまる場合、BRCA1/2遺伝子検査は保険適用となります。
費用は、3割負担の場合が6万600円、1割負担の場合は2万200円で、別途診察料、手技料がかかります。(2023年3月時点)。高額療養費制度の対象となるため、一定の自己負担限度額を超えた部分は払い戻されるほか、事前に手続きを行うことで窓口での支払額を初めから自己負担の上限額までに抑えることができる仕組みもあります(限度額適用認定証)。
詳しくはこちらをご覧ください
BRCA1/2遺伝子検査で体にかかる負担は?結果はいつでるの?
現在、保険適用となっているBRCA1/2遺伝子検査は、血液を使用します。検査自体の時間は採血にかかる時間だけで、痛みもほとんどありません。採血後に必要な解析を行うため、早ければ10日間程度、複雑な解析が必要な場合は2~3週間を目安に結果がでます。
リスク低減手術は受けないといけないの?
リスク低減手術を受けるべきか、サーベイランス(定期的かつ精密な検査)を継続すべきか、悩まれる患者さんは多くいらっしゃいます。それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで、医師・認定遺伝カウンセラーなどと相談しながら、ご自身の価値観に合う選択をすることが大切です。
ただし、卵巣がんについては、サーベイランスの効果が十分ではなく、がんを予防することができないため、適切な時期にリスク低減手術の選択をご検討いただければと思います。
詳しくはこちらをご覧ください
HBOCについてもっと自分で調べたい。何か参考になる資料はある?
関連学会や公的機関でもウェブサイトや書籍でHBOCの情報を提供しています。
たとえば、厚生労働省の研究班と一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)は、一般の方向けのガイドブックを作成しています。「HBOCとは」「HBOCと診断されたら」「日常生活での注意点」などをQ&A形式やわかりやすい文章で紹介しています。
詳しくはこちらをご覧ください