遺伝性乳がん卵巣がん
(HBOC)とは?

遺伝のことやHBOCの特徴、リスクなどをご紹介
乳がんや卵巣がんのなかには、生まれつきの遺伝子の変化が原因となる「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」と呼ばれる体質があります。乳がんでは全体の4~5%、卵巣がんでは全体の10~15%がHBOCであるといわれています。HBOCには「若くして乳がんになりやすい」「乳がんにも卵巣がんにもなりやすい」などの特徴があります。

HBOCの割合

HBOCは、乳がんや卵巣がんなどになりやすい体質を指します。BRCA1BRCA2遺伝子に、 がんとの関連が強い変化(病的バリアント)があるとHBOCと診断されます。
HBOCと診断される方の割合は、がんの種類や民族によって異なります。日本では、乳がん患者さんの約4.2%(BRCA1:1.5%、BRCA2:2.7%)、卵巣がん患者さんの約11.8%(BRCA1:8.3%、BRCA2:3.5%)にBRCA1/2の病的バリアントを認めたという報告があります。

乳がん・卵巣がん患者におけるHBOCの割合を調べる
BRCA1/2遺伝子とがんの関連についてご案内

BRCA1BRCA2遺伝子から作られるタンパク質は、DNAの変化を修復する働きがあります。
このBRCA1BRCA2遺伝子に変化があると、修復に必要なタンパク質が作られなかったり働かなかったりするので、がんが発生しやすくなると考えられています。

HBOCの特徴

HBOCには、「若い年齢でがんを発症しやすい(若年性)」「複数のがんを発症しやすい(重複がん)」「家系内で多くの人ががんを発症する(家族集積性)」といった特徴があり、具体的な例として以下が挙げられます。

HBOCの具体例が気になったら医療機関で相談を

HBOCセルフチェックシート

HBOCのリスク

HBOCと診断された方が乳がん、卵巣がんになるリスクは以下のとおりです。このほかにも膵臓がんや男性の乳がん、前立腺がんになるリスクも高くなることが報告されています。

HBOCと関連した乳がん・卵巣がんになるリスク
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